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2025.11.23

出来高管理で変わる法面工事の現場力

出来高を知る者が、

 現場を制す。

 

建設業において「出来高管理」という言葉を聞くと、多くの方は施工管理者の仕事”と考えます。

しかし、本来は職人も意識すべき数字です。

特に法面工事のような日々の進捗が明確に見える仕事では、出来高の積み重ねが直接利益に繋がります。

ところが、実際の現場では「今日どのくらい出来たか?」を正確に把握している職人はほとんどいません。

多くの親方もどんぶり勘定で、なんとなく「まあ、これくらいだろう」と感覚で進めてしまう。

それでは「儲かっている仕事」と「赤字の仕事」の区別がつかず、結果的に資金繰りが苦しくなってしまいます。出来高管理は、施工管理者だけの数字ではなく、職人自身の生き方を守る数字です。

今回は、関西一円で法面工事を行う北摂constructionが、現場のリアルな視点から「出来高の見える化」について語ります。

 

 

 

職人が数字に無頓着な理由

 

職人の世界では「数字を考えるより、体で覚えろ」「仕事で見せろ」という文化が根強く残っています。

そのため、日々の出来高を細かく記録したり原価を意識したりする人はほとんどいません。

「そんなんめんどくさい」「細かいことはええねん」と言う人も多いでしょう。

確かに、毎日の現場作業をこなしながら帳簿をつけるのは手間に感じるかもしれません。

ですが、“儲かっている人”ほど数字を見ています。

お金にしっかりしている職人・親方は、共通して自分の出来高を感覚ではなく数字で把握しています。

何が儲かって、何が儲かっていないかを理解しているからこそ、無駄なコストを省ける。

逆に「なんとなくやっている人」は、仕事量と収入が比例せず、「あれ?お金が残らない」となります。

毎日、ほんの5分でいいんです。

その日の出来高をメモしておくだけで、1ヶ月後・1年後に大きな差が出ます。

 

 

 

出来高を“見える化”

  する簡単な方法

 

出来高管理と聞くと、難しい原価計算や会計をイメージしがちですが、現場レベルではもっとシンプルで構いません。たとえば法面工事の場合

 

• 今日は全体の何割まで進んだか?(例:全体の30%)

• 鉄筋をどのくらい使用したか?(使用量/予定量)

• ラス金網は何枚使ったか?

• 吹付けはどの範囲まで完了したか?

 

このように「ざっくり進捗」数字化していくと、出来高の感覚が身につきます。

慣れてくると、現場を見ただけで“何割終わっているか”が直感的に分かるようになるでしょう。

さらに、使用している重機や機械の単価も簡単に日割り計算しておくと便利です。例えば、

 

• 月極レンタルの重機:20日稼働で1日単価を算出

• コンプレッサー・モルタル機械なども同様に日割り化

 

あとは、1日の作業で使った機械の合計単価を足せば、「機械費+人件費+材料費」の大まかな出来高コストが分かります。

わずか5分の計算ですが、これをやるかどうかで現場経営の見え方が劇的に変わるんです。

 

 

出来高を意識すると

 “仕事の精度”が変わる

 

数字を意識して作業する職人と、そうでない職人では、仕事の内容そのものが変わります。

出来高を毎日つけていると、「今日は作業効率が悪かった」「天候の影響で材料ロスが出た」「明日は段取りを変えよう」といった改善思考が自然に生まれます。

これは単にお金の計算ではなく、“現場を読む力”に繋がります。逆に数字を見ていないと、何が悪かったのか分からないまま終わってしまいます。

結果的に「頑張ったけど儲からない現場」になりがちです。出来高管理は、職人にとっての“仕事の通信簿”でもあります。

日々の数字を意識することで、自分の強みや弱み、得意な工種、効率の良いやり方が見えてきます。

 

 

 

施工管理者の原価感覚が

 現場のレベルを決める

 

施工管理者現場を管理する立場ですが、実際の出来高を感覚で把握できない人も少なくありません。

「とりあえず進んでる」「あと少しで終わる」という曖昧な管理では、原価を守ることはできません。

現場監督は原価計算ができて当たり前。

人件費・材料費・機械費をざっくり頭に入れた上で、出来高を見て利益率を判断できる力必要です。

現場を見ただけで「この進捗なら今週の利益は〇万円くらい」と計算できる人が、本当の施工管理者です。

北摂constructionでも、職人と施工管理者が一緒に出来高を確認する時間を大切にしています。

職人が数字を知ることで、施工側と管理側の目線が揃い、現場が“チーム”として動くようになります。

この連携こそが、兵庫県・関西一円で法面工事を行う上での現場力の基盤になっています。

 

 

 

“数字を持つ職人”が

 これからの時代を生き残る

 

昔のように「勘と勢い」だけで仕事が回る時代は終わりました。これからは、現場でも数字を理解する人が強くなる時代です。

出来高を見て、利益を読み取り、次の手を考える。

それができる親方は、どんな時代でも必要とされます。

建設業全体が効率化・透明化に進む中で、数字を意識できる人ほどチャンスを掴みやすくなります。

法面工事の現場でも、日々の出来高メモが将来的に自分の経験値データ」となり、現場単価の交渉力にも繋がります。

つまり、出来高管理とは“現場の見える化”であり、自分の価値の見える化”でもあるのです。

 

 

 

まとめ

 

出来高管理は、施工管理者だけの仕事ではありません。

職人・親方・管理者が共に数字を共有し、現場を見える化することで、利益と品質の両立が可能になります。

関西一円で法面工事を手掛ける北摂constructionは、兵庫県で自営する現場会社として、数字を見える化できる現場づくり」を推進しています。

毎日の小さな記録が、最終的に大きな差を生む。

それを現場全員が理解できた時、現場の強さと信頼性は確実に変わります。

 

 

参考資料

 

・国土交通省「建設業における生産性向上の取組」

・日本建設業連合会

 「施工段階における原価管理の重要性」

・建設業労働災害防止協会

 「職長・安全衛生教育テキスト」

・中小企業庁「原価管理のすすめ」

・経済産業省「見える化経営による生産性向上」

・公益社団法人 土木学会

 「施工マネジメント研究委員会資料」

・北摂construction

 現場日報・出来高記録(兵庫県内現場)