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2025.08.03

盗む(真似する)力が現場を育てる

「一流の技術は、

  目で盗んで手で磨け。」

 

建設業の現場教育には、昔ながらの“見て覚える”力が今も息づいています。

建設業において、「教育=指導マニュアル」という発想では、現場のリアルな成長は望めません。

私たち北摂constructionが手がける

“建設業の中でも特殊な分野である法面工事”では、

生きた技術”を目で見て学んで実践が最も重要です。

若い職人が入ってきたとき、

私たちが最初にやるべきことは、

言って聞かせる」ではなく、

「見せて感じさせる」こと。

ベテランの職人が、迷いなく作業を進める様子、

道具の扱い、周囲との呼吸――。

それらすべてが、若手にとっての“教科書”です。

段取りの良さはどう作られているのか?

施工の工夫はそこにあるのか?

効率よく、かつ安全に作業を進めるにはどうするのか?

それらは“言葉”ではなく、

“手仕事”そのもので伝わります。

 

 


 

「良い仕事ぶり」は、

  真似されてこそ本物

 

職人の世界では、

「真似される仕事」こそ一流とされることがあります。

私たちが現場で

「うまいな」「これは真似しよう」と思う瞬間、

それは技術が人に届いた証です。

建設業に限らず、運送業や接客業、どんな業界でも“良い仕事”には共通の美しさがあります。

ムダのない動き、気遣いある対応、丁寧な手仕事――。

見ている側は自然と「真似したい」と思わされます。

私たちも、現場で「これは良い!」と思った施工や工夫を見つけたら、すかさず写真や情報を収めます。

それをあとで見返して復習し、他の現場に応用する。

記録→真似→応用→進化というサイクルが、チーム全体の技術力を底上げしてくれます。

 

 


 

“真似”から始まる進化。

オリジナルは後からついてくる

 

「真似できない人に、オリジナルは作れない」

真似するという行為は、相手の技術を深く観察し、理解する力があってこそできること。

つまり“真似る力”=“伸びる力”だと思っています。

もちろん、

特許や企業秘密など守るべき知的財産は別ですが、

日々の現場で培われる工夫や改善アイデアは、

真似て、自分のスタイルに落とし込むべきです。

そして、真似たものを少しずつ改良していく中で、自然とその人の「色」が生まれてきます。

それが“オリジナル”になっていくのです。

施工の質を上げることは、お客様の信頼につながり、

結果として会社の成長にもなります。

真似は恥ではなく、最良の学び方。

現場の成長は、そこから始まると私は信じています。

 

 


 

真似から継承へ──

 

法面工事の未来を担う職人を育てる

北摂constructionでは、法面屋として、

またアンカー屋としての技術を、次世代へつなぐ責任を強く感じています。

建設業全体が高齢化しつつある今、若手育成と技術継承は、避けて通れない課題です。

その中で最も大事なのは、やはり“手本を見せる”文化を絶やさないこと。

良い施工を惜しみなく見せる。工夫を共有する。真似することを奨励する。

そうやって現場全体の技術と品質が少しずつ底上げされていきます

私たちの仕事は、単なる“土木作業”ではありません。

人が暮らす土地の安全を守る、誇りある仕事です。

その技術を、

次の世代の職人たちにしっかり伝えていくこと。

それこそが、法面工事という仕事を未来につなぐ一番の方法だと思っています。

 

 


 

まとめ

 

見て覚える・真似て伸びる・自分のものにする。

――その積み重ねが一流をつくる。

北摂constructionでは、

建設業の未来を支える法面工事現場を

“育つ現場”として、これからも大切にしていきます。

 

 


 

参考資料・出典リンク

 

1. 厚生労働省

 建設業における人材確保・育成の取組について

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000184344.html

 

2. 経済産業省

 「見える化」が職人技の継承を加速する

https://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/mono/handmade/shokunin.html

 

3. 建設マネジメント技術

 『職人育成塾における職人・技能者の育成』

https://www.kensetsu-kikin.or.jp/web_magazine/