高齢作業員とともに進む現場づくり
北摂constructionの
「法面工事×高齢者」
現場対応と法的視点
少子高齢化が加速する中、特に法面工事の現場では高齢者の存在が欠かせないものとなっています。
本記事では、
北摂constructionが実践する高齢作業員への
安全配慮と関係する法制度・
これからの建設業に必要な対応策を紐解きます。
使用者の「安全配慮義務」とは
労働契約法第5条に基づく
「使用者の安全配慮義務」は、
とくに高齢者については、
• 筋力や反射神経の低下
• 暑さ・寒さへの耐性の低下
• 慢性疾患の影響
こうした状況を放置し、「忙しいから」「人手不足だから」
安全配慮義務違反として
損害賠償責任を問われるリスクがあります。
土木工事安全施工技術指針と
高齢者への配慮
国土交通省の「土木工事安全施工技術指針」では、
• 急斜面や高所での安全対策の強化
• 休憩・水分補給の徹底
• 適切な作業負荷の配慮
• 指導者や監督的立場での配置
といった対応が推奨されています。
むしろ“経験”
労働安全衛生法 第62条
(中高年齢者への配慮)
労働安全衛生法第62条は、
高齢者の「
事業者に義務付けています。
「
• 健康診断結果に応じた職務分担
• 安全教育・特別研修の導入
• 作業設備の見直しや補助装備の充実
などを通じ、高齢者の“活かし方”
現場に根付かせることが求められます。
現場でできる
高齢者対応の実践例
北摂constructionでは、
(1)健康管理と作業前チェック
• 毎朝のヒアリングや「調子ボード」による体調申告
• 定期健診の結果をもとにした柔軟な作業配置
(2)安全装備・動線の見直し
• 親綱やロリップ、フルハーネスの軽量化と徹底運用
• 法面昇降のための手すり設置や昇降ルートの最適化
(3)作業負荷の調整と休憩の確保
• チーム内での作業分担の工夫(特に高所や重作業)
• 夏季・冬季の作業時間短縮と休憩所の整備
(4)技術継承と意欲維持
• 若手・外国人とのOJT制度導入
• 危険予知(KY)活動のリーダー的役割
• 施工計画・パトロールなどの補佐役としての活用
高齢者への配慮は
「戦力化」とセットで考える
高年齢者雇用安定法という法的枠組みがある一方で、
現場の労働安全衛生法では
高齢者の就労に一定の制限が求められるという矛盾も存在しま
しかしこの矛盾を「排除」ではなく、「工夫で乗り越える」
おわりに
建設現場は“体力勝負”だけではありません。
北摂constructionでは、高齢者が
“手を動かす人”
法面工事という特殊で厳しい現場だからこそ、
高齢作業員が安心して働き、
それは、建設業全体の持続可能性を
守ることでもあるのです。
参考資料・引用元
• 労働契約法 第5条
https://elaws.e-gov.go.jp/
• 労働安全衛生法 第62条
https://elaws.e-gov.go.jp/
• 土木工事安全施工技術指針(国土交通省)
https://www.mlit.go.jp/tec/ce_
• 高年齢者雇用安定法(第68号)
https://elaws.e-gov.go.jp/
• 建設業における高年齢労働者の雇用に関する実態調査報告
(
https://www.kensetsu-kikin.or.
• 建設業における高年齢労働者等の安全と
健康確保のためのガイドラ