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2025.05.18

建設業の現場で命を守る熱中症対策とは?

建設業の現場で

  命を守る熱中症対策とは?

 

今年も猛暑が予想されます。

「重篤化させない」ための一歩が、命を救う。

近年、全国的に気温上昇が続き、

建設業をはじめとする屋外作業現場での熱中症による労働災害が深刻化しています。

特に法面工事などの高所作業では、死亡者の約7割が屋外作業中というデータもあり、

熱中症はもはや「夏の健康トラブル」ではなく、重大な労働災害の一つとして捉える必要があります。

令和6年に入ってからも、すでに30人以上の死亡災害が報告されており、

現場での対策強化が急務となっています。

熱中症は一度発症すると短時間で意識を失い、命を落とす危険性もあるため、

予防・早期発見・初期対応の徹底が求められます。

 

 


 

“異変に気づく現場”が命を守る

 

今年の夏も、

過去10年で最も高い水準の暑さが予想されています。

気温や湿度だけでなく、作業着の素材や安全装備の着用状況なども、体温上昇を助長する要因です。

特に防護服やフルハーネスの装着時は、

熱がこもりやすくなり、

「見えない熱中症リスク」が

潜んでいることを忘れてはいけません。

また、建設現場では単独作業になるケースも多く、

異変に気づく人がいないと「誰も気づかなかった」

という状況が重大な事故へ直結します。

現場全体で声をかけあい、体調変化を見逃さない意識づくりが不可欠です。

 

 


 

初期症状の見逃しが、命取りに

 

厚生労働省の調査によると、

熱中症による死亡災害の約97%

「初期症状の放置・対応の遅れ」に起因しています。

 

代表的な症状

・ふらつき、異常な汗、ぼーっとしている

・返事が遅い、顔色が悪い

・筋肉のけいれん、吐き気、頭痛

 

これらは、単なる疲労ではなく、

命の危険を示すサインです。

早期発見と迅速な対処こそが、熱中症の重篤化を防ぐ最大のカギになります。

実際に現場では「いつも元気なベテラン作業員が突然倒れた」というケースも少なくありません。

誰でもかかり得るリスクだと理解し、決して油断しないことが大切です。

 

 


 

建設業に求められる具体策

 

厚生労働省は、建設業界に対して熱中症対策の義務化

罰則付き)を発表しています。

特にWBGT28℃以上または気温31℃以上の作業環境では、以下の対策が必須です。

 

報告体制の整備

→ 「気分が悪い」「同僚の様子がおかしい」など、異常の即時共有体制を確立すること。

 

対応手順の明文化と周知

→ 作業中断・冷却・医療搬送のフローを現場全員に周知し、誰でも迅速に対応できる仕組みを作ること。

 

見守りと早期発見の仕組み

→ バディ制の導入や職場巡視、さらに最近ではウェアラブル端末を活用した体調管理システムを導入する企業も増えています。

 

 


 

北摂constructionの実践例

 

私たち北摂constructionでは、

「無事故・無災害」をスローガンに掲げ、

全社一丸となって熱中症対策に取り組んでいます。

 

WBGT値に応じた

「休憩と給水のタイミング表」の掲示

→ 熱中症リスクが高い時間帯にはこまめな休憩と水分・塩分補給を徹底。

 

熱中症管理者の配置と初期対応訓練

→ 各現場に専任管理者を配置し、初期症状への素早い対応を可能にしています。

 

ファン付き作業服やミストシャワーの導入

→ 作業環境の温度・湿度対策として効果をあげています。

 

異常時の“即搬送”ルールの徹底

→ 万が一の症状発生時には、救急搬送をためらわない体制を確立しています。

 

こうした取り組みで、

一人ひとりが「命を守る主体者」として

安全意識を高め、

現場全体で支え合う文化を育てています。

 


 

最後に

「自分は大丈夫」が一番危険

 

「まだいける」「迷惑をかけたくない」という我慢や遠慮が、重大な災害を招きます。

熱中症は、誰もが発症する可能性があり、発症から数分で意識を失うケースもある労働災害です。

見つける・判断する・対処する

このすべてが、仲間同士の「異変に気づく目」と「ためらわず伝える勇気」にかかっています。

私たち北摂constructionは、

今年もゼロ災害を目指します。

建設業界、そして法面工事の現場から、

命を守る行動を徹底しましょう。

 

この夏も、

熱中症ゼロで乗り切りましょう!

 

 


 

参考資料

・厚生労働省

 「職場における熱中症対策の強化について」

 (令和6年3月・第174回安全衛生分科会)

https://www.mhlw.go.jp/content/001476821.pdf