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2025.03.30

人を育てるのは時間だ

1万時間がつくる

 “技術”と“信頼”の現場力

 

建設業の現場では、「人を育てる仕組み」はもちろん、育つまでの時間を支える仕組み」必要です。

特に法面工事のような危険性と専門性を伴う業務では、経験値そのものが“現場力”につながります。

そんな現場のリアルを、心理学の分野でも注目された

1万時間の法則」に重ねることで、技術継承の本質が見えてきます。

 


 

1万時間の法則とは?

 

「1万時間の法則」は、作家マルコム・グラッドウェルが提唱した理論で、

「ある分野で一流になるには、少なくとも1万時間の練習が必要だ」とされています。

たとえば――

• 1日8時間、週6日働いた場合:約208週(=約4年)

• 1日8時間、週5日働いた場合:約250週(=約4年と10ヶ月)

つまり、週6勤務と週5勤務では、1万時間に到達するまでに約42週(=約10ヶ月)の差が生まれます。

この差は、単なる時間の長さではなく、

「技術力や判断力の深さ」に直結するのです。

 


 

法面工事で

 問われる“経験の密度”

 

北摂constructionが主力とする法面工事では、

吹付工・法枠工・鉄筋挿入工など、

一つひとつが“経験の蓄積”を要する作業です。

条件が現場ごとに異なり、

応用力が求められるのが特徴です。

そこで重要になるのが、

「いかに早く・正しく1万時間を積むか」

私たちは、経験に裏打ちされた施工力と、安全への感度を、“現場力”として体系化しています。

 

 


 

若手が育つ現場には

 「時間」が流れている

 

「人を育てる」とは、単に教えることではありません。

“育つ時間”を確保し、見守ることも育成の一部です。

現場には、1万時間を超えたベテランと、これから1万時間を目指す若手が共存しています。

北摂constructionでは、こうした技術のグラデーションを活かし、「現場全体が人を育てる環境」をつくっています。

 

 


 

非定型作業にこそ“時間”が必要

 

とくにロックボルト工やアンカー工などの非定型作業は、教科書通りにいかない“応用の連続”です。

ICTや施工マニュアルが整ってきたとはいえ、

現場では最終判断を人の手と目に委ねる場面が多いのが実情です。

だからこそ、1万時間をどう積ませるかが、

次世代育成のカギとなります。

 

 


 

技術を継ぐだけでなく、

 姿勢も継ぐ

 

北摂constructionでは、

「最初の100時間、1000時間」に寄り添いながら、

「なぜこの作業をするのか」

「どこにリスクがあるか」を

言葉と動きで伝え続けています。

ただ作業を教えるのではなく、

“姿勢”も育てる。

それが、技術と信頼をつなぐ本当の

“育成”だと私たちは考えています。

 

 


 

まとめ

技術は

 “積み重ねる時間”が育てる

 

建設現場において、

短期で成果が出るものはほとんどありません。

だからこそ、時間をかけて育てる意義と、それを支える環境の整備が求められます。

北摂constructionは、

「人を育てるのは時間だ」という視点をもちながら、

地域と社会を支える“現場力”を、

これからも積み上げていきます。

 

 


 

参考資料  

・マルコム・グラッドウェル(2009)

 『天才! 成功する人々の法則』講談社  

 原題:Outliers: The Story of Success

(2008年、Little, Brown and Company)  

 講談社BOOK倶楽部

https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000188192