Contact

お知らせ News

2026.02.11

法面工事の未来をつくる職人へ

自動化を恐れず、その先での

どう生きるかを考える

 

人類は常に道具とともに進化してきました。

石を打ち砕く槌、蒸気機関、そしてコンピュータ──。

その延長線上にいまAI(人工知能)や自動化があり、

ついにはヒト細胞からつくった「ミニ脳」脳波を発する段階にまで到達しつつあります。

これはSFでも未来予測でもなく、すでに実験として世界で進んでいる事実です。

そこには「人間ができることは、いずれ機械ができる」という本質的な問いが存在します。あなたが日々、

汗を流し、苦労しながら施工している法面工事──

これだけ高度で体力と判断が求められる仕事でも、将来的には機械が担い得るのか。

そして、それは恐ろしい未来なのか

答えは単純な恐怖ではなく、可能性の問題だと私は考えています。

 

 

 

自動化は、現場から

 人を消すものではない

 

「自動化が進んだら現場に人がいなくなる」

これは十年前、土木系オペレーターの多くが感じた危機感でした。

確かに、バックホウの自動操縦や3Dガイダンス、ICT建機の発達は目覚ましく、

熟練オペレーターでさえ「機械に取って代わられる」と言われたこともあります。

しかし現実はどうでしょうか?

現場で求められるのは「状況判断」や「施工戦略の最適化」です。

法面工事のように、地山特性・降雨状況・隣接構造物・安全帯配置など複合的な要素が絡む現場では、

単なる操作の自動化だけでは成立しません

人が培ってきた経験、目線、直感──

これらは機械のセンサーだけでは置き換えられません

 

 

 

未来の現場は人がいなくなる

 ではなく役割が変わる

 

では機械化が進んだ未来の現場はどうなるのでしょうか?結論から言うと、

「現場に人がいなくなる」未来ではなく、

「現場を管理し、機械と連携する人が一人いれば成立する」未来です。

これは恐れる未来ではなく、むしろ合理的で効率的な現場運営の姿です。例えば:

 

• 重機オペレーションは自動化される

• 観測・計測はIoTセンサーがリアルタイムで行う

• 危険箇所はAIが予測して警報を出す

• 人は安全距離で監視・判断・最終意思決定を行う

 

こうした現場では人が「命を危険に晒して操作する」必要がなくなり安全性と効率性が飛躍的に向上します。

建設業、とりわけ法面工事は災害現場や不安定斜面を扱うため、機械化の恩恵が最も大きい領域でもあります。

 

 

自動化×法面工事のリアルな姿

 

具体的に法面工事で進む技術変革を挙げると、

 

 自動測量と3Dデータ活用

ドローンやLiDARで法面を即時3D化 → AIが危険箇所を特定

・熟練技術者が戦略立案に集中

 

無人バックホウとマルチセンサー

自動制御バックホウが危険領域の掘削を担う

・人は安全監視・例外対応に専念

 

AI施工管理システム

工程・資材・安全管理を統合し、欠陥予測・遅延分析まで自動生成

・施工品質の標準化と再現性向上

 

これらはもはや「遠い未来の話」ではなく、

今日の建設現場で実際に導入が進んでいる事例です。

 

 

自動化は

「否定するもの」ではない

 

ここで重要なのは、「自動化=職人不要論」ではないということです。

機械化が進むほど、求められる人の役割は高度になります。つまり、「操作」から「統合的判断と意思決定」へとシフトする。

たとえば、

 

• AIが危険を予測

 → 人が対策を判断

• 自動バックホウが掘削

 → 人が施工方針を決定

• センサーが異常を感知

 → 人が最終判断を行う

 

これは技能の没落ではなく、経験と知識価値の再評価です。

熟練工の持つ文脈的判断力は、機械に置き換えられるものではなく、むしろ機械化の現場で「生き残る力」として不可欠になります。

 

 

自動化の中で

 どう「生きるか」を考えるか

 

ここまで読んで、あなたが感じている違和感は至極当然です。

「苦労して習得した技術が機械に奪われる」という恐怖。でもこれを恐怖だけで終わらせてはもったいない

なぜなら、自動化を単なる「機械操作の置き換え」と捉えるのではなく、

人間が新たな価値を提供するチャンスと捉えることができるからです。

 

 

 

技術力を

「戦略思考」へブラッシュアップする

 

単なる施工技術だけでなく、

 

• データ分析

• 3Dモデルの活用

• AIが出した予測への判断

• 安全と工程の最適化

 

こうした能力がこれからの建設業における「生きる力」になります。

 

自動化を使いこなす側になる

 

自動化を拒絶するのではなく、使いこなす側になるという視点が未来への突破口です。たとえば:

 

• 自動化機の整備と保守

• 自動化導入コンサルティング

• AI施工支援システムの現場適用

• データ解析による施工改善サービス

 

これは単なる先進技術トレンドではなく建設業が持続可能なビジネスとして成熟するための必須能力です。

 

 

自動化の先にある

 「人間の価値」

 

最後に一つだけ断言します。

機械ができるようになっても、人間の価値はなくならない。

ただし、その価値は「手作業の速さ」ではなく、「判断の質と戦略の創造性」にシフトする。

施工の現場はこれから、単なる「力の競争」ではなく、知識と判断の競争へと変わっていきます。

そしてそこにあなたの経験や判断力がある限り、AIや自動化は「敵」ではなく、

あなたの価値を増幅するパートナーになります。

 

 

 

まとめ

 

• 自動化は建設業の未来だが、職人の価値を消すものではない

• 北摂constructionのような現場主義者こそ、自動化を学び戦略的に使いこなすべき

• 法面工事の未来は、人と機械が協働する現場へと進化する

• 大切なのは「機械に奪われる」ではなく「機械と共に何をつくるか」を考えること

 

参考資料

 

1. AIによる脳のミニモデル(オルガノイド)研究

• Quadrato et al., Nature, 2021 — ヒト脳オルガノイドの電気活動観測

https://doi.org/10.1038/s41586-021-03240-0

 

2. 建設業におけるICT活用の実例

• 国土交通省「i-Construction」公式資料

https://www.mlit.go.jp/tec/itic/

 

3. 自動化建機の導入事例

• Komatsu & Trimble Collaboration — ICT建機導入事例

 

4. AI施工管理・安全予測の動向

• Construction Dive: AI Safety & Scheduling