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2026.01.18

目標値を把握することで、法面工事はもっと楽しくなる

 

法面工事の現場で

 人の決定的な差

 

「休日でも予定を入れると、結果的にしっかり休日を楽しめる」この感覚は、多くの人が経験しているのではないでしょうか。

実はこれ、建設業の現場、とくに法面工事の施工管理にもまったく同じことが言えます。

予定も目標もなくダラダラ過ごした休日が、

結局なにも残らないのと同じで、目標値を持たずに施工を進める現場は、なかなか終わりが見えてきません。

 

 

 

漫然とした施工は、

 必ず現場を重くする

 

現場を見ていると、職人の親方であっても

明確な目標を持たずに仕事をしている人が意外と多いと感じます。

「漫然と施工する」とは、目的や到達点を意識せず、ただ作業をこなす状態を指します。

この状態に陥ると、

次のような言葉が頻繁に出てきます。

 

• 「本気を出せば、これくらいすぐ終わる」

• 「まだ本気じゃない」

• 「本当はもっと稼げる」

 

しかし、現実はどうでしょうか。

こうした言葉を口にする人ほど、最後まで本気を出すことなく終わるケースがほとんどです。

普段から本気を出せない人は、残念ですが、いざという時も本気は出ません。

これは精神論ではなく、日々の行動習慣の積み重ねの結果です。

そして特徴的なのが、言い訳だけは非常に上手いという点です。

最終的には「条件が悪かった」「人が足りなかった」と理由を並べ、責任から距離を取るようにフェードアウトしていきます。

 

 

施工能率は、

 経験者なら必ず読める

 

法面工事の現場では、ある程度の経験を積めば施工能率は必ず読めるようになります。

 

• この山なら、アンカーは1日何本いけるか

• この勾配・地山なら、法枠は1日何㎡進められるか

• 段取りと人員を考えれば、今日はどこまでが現実的か

 

これは「勘」ではありません。

過去の実績と現場条件から導き出される、事実ベースの判断です。

ここで重要なのが、その“読める数字”をそのまま目標にしないという点です。

 

 

目標値は

「少しだけ超えるところ」

 に置く

 

目標値は、

「確実に達成できる数字」では意味がありません。

なぜなら、人は目標を達成した瞬間に必ず油断するからです。油断が生むものは何か。

それは、施工ミスや事故につながる行動です。

 

• 手順の省略

• 確認不足

• 声掛けの省略

 

これらはすべて、「もう余裕がある」という油断から始まります。

だからこそ、目標値は超えられるか、超えられないかギリギリのラインに設定する必要があります。

もし目標を超えられた場合は、それは「無理をした」のではなく、明日への貯金ができたということです。

 

 

現場後半で

 目標を超えられる理由

 

現場の後半になると、

当初設定した目標をあっさり超えていく日が出てきます。これは偶然ではありません。

 

• 現場の癖を掴んだ

• 段取りが洗練された

• チーム内の連携が向上した

 

つまり、その山に適応した施工スキルが身についた証拠です。

この段階に入ると、人は自然と「今日も超えたい」と思うようになります。

目標が、「やらされる数字」から「自分で追いかけたくなる数字」へと変わる瞬間です。

 

 

工事竣工まで、

 目標を細かく刻む

 

我々、建設業の現場における最終目的は明確です。

それは工事竣工です。

しかし、竣工というゴールだけを見ていても、日々の施工はうまく回りません。だからこそ、

 

• 今日の目標

• 今週の目標

• この工程の目標

 

と、細かく区切った目標設定が必要になります。

同じ現場でも、

 

• できない理由を探し続ける人

• どうすれば超えられるかを考える人

 

この差は、数年で取り返しがつかないほど大きくなります。

山の規模が違っても、現場の大小が違っても、目標を持つ姿勢そのものは変わりません。

 

 

毎日、勝手に目標を作っていい

 

最後にお伝えしたいのは、

目標は誰かに与えられるものではないということです。

毎日、勝手に作っていいんです。

そして可能であれば、

口に出して公言することをおすすめします。

 

• モチベーションが上がる

• 適度なプレッシャーがかかる

• 集中力が上がる

 

結果として、施工は間違いなく楽しくなります。

目標値を把握し、自分で設定し、それを少しずつ超えていく。

これが、法面工事をはじめとする建設業の現場を、前向きに、強くしていく方法です。

 

 

参考資料

 

1. ピーター・ドラッカー 著

『マネジメント 基本と原則』

(ダイヤモンド社)

→ 目標管理(MBO)の基本概念を体系的に解説。

 

2. 厚生労働省

「職場における目標管理の考え方」

→ 実務に即した目標設定と評価の整理。

 

3. 中小企業庁

「中小企業のための人材育成・目標設定ガイド」

→ 現場型組織における目標設定の実例。

 

4. JIS Q 9001(ISO9001)

品質マネジメントシステム

→ 目標設定と継続的改善(PDCA)の国際標準