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2025.10.26

建設業の危機管理能力を鍛えるということ

 

建設業と危機管理の関係性

 

私たち北摂constructionが専門とする法面工事を含む建設業の現場では、常に数多くのリスクが潜んでいます。

高所での作業、重量物の搬入や搬出、重機の稼働、さらには天候による作業環境の変化など、一つひとつの工程に危険がつきまといます。

特に兵庫県の法面会社として活動する私たちが直面する現場は、急斜面や不安定地盤など、通常の建設工事以上に厳しい条件を伴うことが少なくありません。

こうしたリスクを最小限に抑え無事故で現場を進めるために不可欠なのが「危機管理能力」です。

危機管理とは、単に決められたマニュアルを守るだけの行動ではありません。作業前に「どのような危険が存在するのか」を自ら想定し、事前に対策を講じ、作業後にはその効果を振り返り、改善につなげる。この一連の流れを日常的に繰り返すことこそが、本当の意味での危機管理能力の鍛錬なのです。

 

 

 

毎日のKY(危険予知)

 活動の重要性

 

建設業の現場に携わる方なら、「KY活動(危険予知活動)という言葉を必ず耳にしたことがあるでしょう。

KY活動とはその日の作業を始める前に、作業員全員で「どんな危険が潜んでいるのか」「どのように対策をするのかを洗い出し、共有する取り組みです。

一見すると「当たり前のこと」に思えるかもしれませんが、この毎日欠かさず続ける”という積み重ねこそが最大のポイントです。人間の脳は繰り返しによって学習し、潜在意識に行動を刻み込みます。

テレビCMやラジオの曲を何度も聞くうちに自然と口ずさめるようになるのと同じように、危険を意識する習慣を積み重ねることで、無意識のうちに危険を察知し、回避できる行動がとれるようになります。

つまり、KY活動は「安全を潜在意識に刷り込む」ための極めて重要な取り組みであり、私たち北摂constructionでも、法面工事の現場では毎朝必ず実施しています。

 

 

 

安全を「すり込み」

 として習慣化する

 

「刷り込み」「洗脳」という言葉は、一般的にはマイナスのイメージを伴うかもしれません。しかし安全管理においては、むしろ不可欠な考え方です。

人は作業中、つい目の前の作業に集中してしまい、周囲の危険を見落としがちになります。

例えば、資材を運ぶことに夢中で足元の不安定さに気付かない、重機の動きに気を取られて別方向からの接近に気付かない、といったことは決して珍しくありません。

だからこそ、「この作業にはどんな危険があるのか」「自分はどこに注意を払うべきか」を繰り返し意識し続けることが重要です。それを日常的に繰り返すことで、無意識のうちに危険を先に察知し、回避行動をとる」脳の働きを鍛えることができます。

これが本当の意味での“危機管理能力”です。

 

 

 

危機管理能力を

 高める具体的な方法

 

危機管理能力を高めるための第一歩は、やはりKY活動の徹底です。作業前に必ず時間をとり、どんな小さな作業であっても「どこにどんな危険があるのか」「それをどう回避するか」を作業員で共有することが基本です。

また、「ヒヤリハット」過去の事故事例を共有することも有効です。ヒヤリハットとは、事故には至らなかったものの「ヒヤッとした」「ハッとした」出来事のこと。こうした体験談は、事故を未然に防ぐ貴重なヒントになります。仲間の体験を共有し、「自分ならどう防ぐか?」を考えることが、実際の行動力につながります。

さらに重要なのは「振り返り」です。

作業終了後に今日立てた対策は有効だったか?」「改善すべき点はあるか?」を検討し、次の現場に活かす。このサイクルを習慣化することで、現場全体の安全レベルは確実に底上げされます。

 

 

 

法面工事と危機管理の特性

 

特に法面工事は、建設業の中でも危険性の高い分野の一つです。急傾斜地での作業が中心となるため、転落や崩落、落石などのリスクが常に存在します。さらに、雨や風などの自然環境が施工条件に直結するため、状況判断を誤れば重大な事故につながりかねません。

そのため、兵庫県の法面会社として現場を担う私たち北摂constructionは、特に危機管理能力の育成に力を入れています。

作業前のKY活動はもちろん、最新の安全装備やICT建機の導入、さらにはドローンによる施工管理など、技術と人の意識を融合させた安全対策を行っています。

「現場に潜む危険をゼロにすることは不可能。

しかし危険を最小限に抑えることは可能。」

これが私たちの考え方です。

 

 

 

安全は「意識」で作られる

 

どれだけ最新の安全装備を導入しても、それを正しく使いこなすのは人間です。

安全を守るのは道具ではなく「意識」です。

北摂constructionでは、法面工事に携わる一人ひとりが「自分が現場の安全を守る」という意識を持てる環境づくりを大切にしています。

最新のヘルメットや安全帯、AIカメラやセンサーなどを備えていても、使う側に危機管理の意識がなければ、事故を防ぐことはできません。

毎日のKY活動で危険を予知し、対策を考え、実行する。小さな積み重ねが、仲間を守り、自分を守り、現場を守る最大の武器になります。

安全は誰かが与えてくれるものではなく、自分たちで作るもの。」この考えを現場全体に浸透させ、無事故で工事を終えることが、私たちの使命です。

 

 

 

危機管理能力は未来を守る力

 

建設業に従事するすべての人にとって、危機管理能力を鍛えることは単なる作業効率の問題ではなく、未来を守る力」です。安全に対する意識が高まれば、一人ひとりの働きやすさも向上し、ひいては業界全体のイメージアップにもつながります。

関西の法面会社として地域を支える北摂constructionは、今後も危機管理能力の向上に力を注ぎ、無事故の現場づくりを徹底していきます。

そして、次世代の若者や女性も安心して働ける環境を整え、建設業の持続可能な未来を切り拓いていきます。

 

 

 

まとめ

 

危機管理能力とは、特別なスキルや資格ではなく、日々の積み重ね」で鍛えられる力です。

KY活動、ヒヤリハットの共有、振り返り、この地道な繰り返しが、結果として大きな安全を生み出します。

「安全は習慣が作る」──この言葉を胸に、

北摂constructionは法面工事を通じて、地域の安心・安全を守り続けます。

 

 

 

参考資料

 

• 厚生労働省  職場のあんぜんサイト(危険予知活動)

• 労働安全衛生法(厚生労働省)

• 中小企業庁「中小企業白書 令和5年度版」

• 国土交通省「建設業の働き方改革推進状況」