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2025.10.19

法面現場で手が汚れたら?

現場で手が汚れたら?

  洗剤より「砂」が効く理由

 

建設業の現場で働いていると、どうしても避けられないのが「手の汚れ」です。特に法面工事や重機を扱う作業に従事していると、グリースや油汚れが手にべったりと付着します。石鹸や洗剤を持参している方も多いでしょうし、最近では工事現場用のハンドクリーナーや専用のペースト状洗剤も販売されています。しかし、実際に現場で「今すぐ手をきれいにしたい」と思ったときに、必ずしもそれらが手元にあるとは限りません。

そこで昔から現場の職人に伝わる知恵が「砂を使って手を洗う」という方法です。

特別なものではなく、吹付用の洗い砂や、その辺の砂でも十分。軽く砂を握り、水と一緒に手をこすり合わせるだけで、驚くほど汚れが落ちます。

なぜ砂で油汚れが取れるのか?それは砂粒子が持つ「吸着作用」にあります。砂は表面がザラザラしているため、グリースや油を物理的に絡め取ってくれます。特に粒子が細かい砂ほど効果が高く、粘土質に近い細かな粒は「研磨剤」兼「吸着剤」として働き、汚れをしっかりと引きはがします。水と併用することで粒子が滑らかになり、手を傷つけることも少なくなります。

この「砂洗い」の知恵は、まさに各業種ならではの工夫の一つです。土木工事や法面工事など「土」と向き合う現場だからこそ、身の回りの自然素材を有効活用しているわけです。

 

 

 

北摂constructionの

  現場での工夫

 

私たち北摂constructionのように、関西の法面会社として日々斜面と向き合う仕事をしていると、こうした「現場の知恵」は欠かせません。法面の削孔やモルタル吹付などの作業では、どうしても油脂類やセメント類が作業員の手や腕に付着します。通常のハンドソープではなかなか落ちにくい汚れも多く、現場に専用洗剤を常備するにも限界があります。

そこで役立つのが「洗い砂」です。

法面工事では吹付作業のために砂を常備していることが多く、そのまま応用できます。細かい砂を水と混ぜて軽くこするだけで、驚くほどきれいに汚れが落ちるのです。実際に若手スタッフが初めて砂で洗ったとき、こんなに取れるのかと驚きました」と話してくれました。

さらに砂は現場に必ずあるため「コストゼロ」。経済的で環境にも優しいのが大きなメリットです。化学的な強い洗剤を使うと手肌が荒れたり、排水の処理が問題になったりすることもありますが、砂は自然のもの。現場で手を守りつつ環境への配慮にもつながります。

 

 

 

各業種ならではの

  工夫が現場を支える

 

建設業の魅力は、こうした「業種ならではの工夫」が日々の仕事を支えている点にあります。例えば、鉄筋工は番線を扱いやすくするために独自の工具を改良したり、型枠大工は作業効率を上げるために材料の並べ方を工夫したりします。そして法面工事の職人は、砂を洗浄に使うという知恵を代々受け継いできました。

これらは教科書に載っているわけではなく、現場で生まれた知恵そのものです。まさに経験が知恵に変わる瞬間」であり、建設業が持つ奥深さを示しています。

 

 

 

関西の法面会社としての誇り

 

私たち北摂constructionは関西の法面会社として、日々さまざまな現場に携わっています。

そこでは最新の技術や機械化も進んでいますが、同時にこうしたアナログな工夫も今なお大切です。

例えば砂を使った洗浄法は一見古くさく思えるかもしれませんが、実際には「簡単」「早い」「確実」という三拍子揃った合理的な方法です。

現場では「危険を減らす安全対策」「分業による効率化」「清潔で働きやすい環境づくり」など、多くの改善が進んでいます。

その一方で「砂で汚れを落とす」という小さな工夫が、職人の快適さや作業効率を支えているのです。

 

 

 

建設業の未来と

  小さな工夫の積み重ね

 

建設業というと、どうしても「大きな構造物」「ダイナミックな重機」ばかりが注目されがちです。

しかし実際に現場を支えているのは、こうした小さな知恵と工夫の積み重ねです。砂を使った洗浄法はまさにその象徴であり、働く人の手を守り、快適さを提供し、そして最終的には安全で効率的な作業につながります。

北摂constructionでは、このような現場の工夫を大切にしながら、地域の安心・安全を守る法面工事を続けていきます。

そして建設業の持つ新しい価値や魅力を、これからの世代にもしっかりと伝えていきたいと考えています。

 

 

 

まとめ

 

「現場で手が汚れたらどうするか?」という一見小さなテーマも、建設業にとっては大切な課題です。

専用洗剤や工業製品がなくても、現場にある砂を使えば十分に対応できる。この各業種ならではの工夫こそが、建設業を支えてきた知恵であり、未来にも伝えていくべき財産です。

私たち北摂constructionは、こうした現場の工夫を重視しながら、兵庫県の法面会社として、より働きやすく誇りある建設業を築いていきます。

 

 

参考資料

• 日本建設業連合会「建設産業における持続可能な成長戦略」

https://www.nikkenren.com/

• 建設現場豆知識:「手洗いと汚れ対策」特集(建設関連業界誌・技能士会の記事などを引用)