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2025.08.17

建設業の未来を支える「退職金制度」とは?

法面工事の現場から

  考える建退共の役割

 

建設業は、高い技術力と体力が求められる厳しい現場です。特に法面工事のような高所作業や重機作業を伴う仕事では、長く働くほど身体的な負担が増し、将来への不安も大きくなりがちです。

そこで重要なのが、現場作業員の未来を守る

建設業退職金共済制度(建退共)です。

北摂constructionでも制度を積極的に活用し、

働き手の安心と信頼を築いています。

本記事では、建退共制度の仕組みと現場での活用例について、わかりやすく解説します。

 


 

1. 建退共制度の概要とは?

 

建退共制度は、建設業に従事する作業員が、就労日数に応じた退職金を受け取れる国の共済制度です。

現場の雇用は流動的で、正社員以外にも一人親方・日雇い労働者が多く働いています。

そんな「現場のプロたち」安心して働き続けられるように、1974年に創設されました。

制度は厚生労働省所管の独立行政法人「勤労者退職金共済機構」が運営しており、

全国どの現場でも就労日数が蓄積され、退職時に共済金が支給されます。

 

 


 

2. 証紙制度と退職金の積立方法

 

建退共では、作業員1人につき「1日あたり320円(税込)」の共済掛金(証紙)を事業者が負担し、共済手帳に貼付することで退職金が積み立てられます。

例えば、年間250日働いた場合は

「320円 × 250日 = 80,000円」分が積立。

これが継続的に蓄積されていく仕組みです。

この掛金は給与とは別扱いの「福利厚生費」

として処理され、作業員の手取りに影響はありません。

北摂constructionでは、証紙の貼付・管理を徹底し、

制度がしっかり運用されるよう取り組んでいます。

 

 


 

3. 加入対象と事業者の役割

 

建退共制度には、元請・下請を問わず建設工事を行うすべての事業者が加入可能です。

常用・臨時問わず、

現場作業に従事する方が対象となります。

一方で、設計や事務などの非作業系職種は対象外です。

また近年では、元請が協力会社に対して「建退共加入」を条件とするケースも増えており、

制度への理解と実践が

企業評価にも影響を与えるようになっています。

 

 


 

4. 法面工事の現場における意義

 

法面工事は、アンカー削孔・モルタル吹付など、特殊な技能が必要な分野です。

加えて、高所作業が続く中での安全意識や健康管理が欠かせません。

だからこそ、現場で働く職人たちがいずれしっかり退職金を受け取れる」という安心感は、

仕事へのモチベーションや定着にもつながります。

北摂constructionでは、若手職人の教育と同時に、

制度活用による

“長く働ける環境”づくりに力を入れています。

 

 


 

5. 制度の課題とこれから

 

建退共制度にも課題はあります。

たとえば

 

• 証紙の貼付ミスや紛失による未加算リスク

• 就労証明の不備で正しく反映されない問題

• 短期就労者への支給額が少ないこと など

 

ですが現在、電子申請やオンライン台帳の導入も進んでおり、制度の利便性と透明性は向上しています。

さらに「担い手3法」によって法定福利費の適正支払いが推進され、建設業全体の働きやすさ向上にもつながっています。

 

 


 

まとめ

 

北摂constructionのように、現場の声を大切にしながら制度を正しく運用する企業が増えることで、建設業全体の信頼性と魅力が高まっていきます。

退職金制度は、単なる福利厚生ではなく、「働く人の未来を守る仕組み」。

それを現場から根づかせていくことが、

法面工事を含むすべての建設現場における

“持続可能な人材確保”のカギとなるのです。

 


 

参考資料

 

• 建設業退職金共済制度(建退共)公式

https://www.kentaikyo.taisyokukin.go.jp/

• 厚生労働省:建設業における退職金制度

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000147461.html

• 国土交通省:担い手三法

https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001521137.pdf