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2025.05.04

対等な現場づくりのために

対等なパートナーシップ

 願っています

 

「先週の設計変更、書面はまだ届いていませんが、今日から作業していいですか?」

法面工事の現場では、こうした曖昧な指示が作業品質や安全、さらには取引上の信頼関係にまで影響を及ぼすことがあります。

私たち北摂constructionは、中小規模の建設業者として、元請企業の皆様と日々協力しながら地域の安心・安全を支えています。

そのなかで強く感じるのは、

「現場力」と同じくらい、取引の透明性と公正性が求められているということです。

 

 


 

下請法の改正と現場の声

 

2023年〜2024年にかけて、

建設業界では下請代金支払遅延等防止法

(通称:下請法)運用基準が改正されました。

中小企業庁や公正取引委員会は、

以下の点を強調しています

 

• 手形払いの長期化は是正すべき(原則60日以内)

• 一方的な値下げ交渉(買いたたき)は違法

• 契約内容の明示・書面交付が義務

 

こうした改正は、私たち下請企業にとって、資金繰りの不安や突発的な対応を減らし、

本来の「技術力」と「品質」に集中できる環境づくりにつながります。

 

 


 

北摂constructionからのお願い

 

私たちが現場で安心して働けるよう、元請企業の皆様に以下の点でのご配慮と対話の継続をお願いしています。

 

① 価格交渉時の歩み寄り

労務費・資材費の高騰が続く中、現場の実情を共有しながら、相互理解の上で価格協議を行っていただけると、品質の維持・向上にもつながります。

※参考:公正取引委員会「買いたたき行為」

    独占禁止法違反のおそれあり

https://www.jftc.go.jp

 

② 支払い条件の見直し

現金化への配慮やサイト短縮(60日以内)があることで、資金繰りが安定し、現場の人員配置や資材調達も計画的に行えます。

※参考:中小企業庁「振興基準」令和6年改正

    (2024年11月1日施行)

https://www.chusho.meti.go.jp

 

③ 指示・変更の書面化

口頭の変更指示では、後のトラブルや誤解を招きかねません。追加対応や設計変更は、書面・メール等の形で明確に記録いただければ、双方にとって安心です。

※参考:下請法第3条「書面の交付義務」

https://www.jftc.go.jp

 


 

法面工事の現場からの提言

 

“見えにくい工種”だからこそ、ご理解が必要です。

法面工事は、山間部や造成地のような人目につきにくい場所で行われることが多く、作業の実態や技術的難しさが一般に伝わりづらい工種です。

私たちが日々向き合っているのは、単なる吹付けやシート張りではありません。

 

• 命綱を頼りに傾斜40度を超える斜面での高所作業

• 天候や地盤条件に応じた即応性の高い判断力

• 図面では見えない自然とのせめぎ合い

• 安全・仮設・工程・重機配置の全体最適化

 

これらには、高度な経験と技術、そして冷静な現場判断が不可欠です。

一見単純に見える工事の裏に、多くの危機管理と工夫があることをご理解いただきたいと考えています。

 

 


 

「価格」や「納期」だけでは

 測れない価値があります

 

工期やコストばかりが取引の焦点になりがちな建設業界ですが、法面工事には「数字では測れない価値」が多く含まれています。

 

• 施工計画外の現場判断

• 人員配置・作業工程の安全配慮

• 天候や地形に応じた変更対応の即応性

• 地域住民や周辺環境への配慮

 

こうした見えない努力や調整力も、

パートナーとして正当に評価していただける関係を築けたらと願っています。

 

 


 

 最後に “まとめ”

 

建設業の未来を支えるのは、

現場で汗をかくすべての人たちです。

北摂constructionは、

法令遵守と現場協力の両立を目指し、これからも

「安全・品質・工程」の三立に挑戦し続けます。

そして、発注者・受注者という枠を超えて、

対等な関係に基づく建設パートナーシップを育てていきたいと考えています。