借り物こそ綺麗に扱うという誠実さ
現場に息づく
“思いやり”の3要素
建設業の現場には、多くの技術や道具、経験が集まっています。しかしその中で、最後まで見落とされがちな、「現場の質」を決める要素があります。
それが借り物の扱い方 です。
「借りたものは綺麗に返す」。
この言葉は一見すると当たり前のように聞こえます。
けれど、実際に法面工事(のりめん)の現場を歩いてみると、それを徹底できる人は決して多くありません。
私たち 北摂construction が日々携わる法面工事は、自然と向き合う仕事です。現場ごとに地質が違い、傾斜が違い、必要となる機材も工具も変わります。
そのため、リース品・協力会社からの貸し出し品を使う機会は非常に多い。
だからこそ、借り物の扱い方ひとつで 信頼関係の厚み が変わるのです。

「リース品やし、まあええか」
その一言で信頼は崩れる
現場でよく聞く言葉があります。
「どうせ返すだけやし、ちょっとぐらい汚れても大丈夫やろ」、「リースやから雑に扱っても問題ない」
この感覚こそが、信頼を損なう大きな落とし穴です。
リース品であろうと、レンタル品であろうと、その背景には必ずお金と信用が存在しています。
貸す側は「この会社なら安心して貸せる」と思うからこそ、機材を預けてくれるのです。
法面工事の現場では、削岩機、発電機、エアホース、ドリル機など、多様な機材を扱います。泥にまみれ、粉塵にさらされ、過酷な環境で使われるからこそ、
使う前の点検と、使った後の清掃 は欠かせません。
反対に、汚したまま返却された機材を見ると、貸した側はこう思います。
「次は貸したくないな」「この会社は扱いが雑やな」
その瞬間、築いてきた信頼は簡単に崩れます。
結果として、リース料金が高くなったり、最悪の場合「貸出不可」となることもある。
たった一つの扱い方が、仕事の幅や今後の取引に直結するのです。

借りた時より綺麗にして返す
これだけで信頼は積み上がる
北摂constructionでは、どの現場でも共通して大切にしている言葉があります。
「道具も現場も人間関係も、返すときが一番大事」
借りた機材を拭き取り、整頓して返す。
使った仮設資材を丁寧に洗う。
不要な汚れを落として箱に収める。
たったこれだけの行動で、相手の印象は大きく変わります。
「この会社なら安心して任せられる」
「次も取引したい」
小さな積み重ねが、継続的なパートナーシップにつながり、結果として 会社の信用力 を高めていくのです。
この姿勢は最終的に「自分の仕事をどう扱うか」
という部分にもつながります。
整理整頓ができる職人は、安全管理が行き届き、作業も無駄がない。
逆に、乱雑な扱いをする現場ほど、ミスや事故が起こりやすく、品質もブレます。
つまり、借り物を丁寧に扱うという行動は、職人としての姿勢を外部に示す最もシンプルな方法 なのです。

現場に息づく
「思いやりの3要素」
借り物を綺麗に扱うという行為には、実は3つの思いやりが隠されています。
① 相手への思いやり
貸してくれた人・会社への敬意。
「大切に使おう」と思う気持ちは、相手の立場を想像する力の証です。この姿勢があるだけで、社間の関係性は驚くほど円滑になります。
② 次に使う人への思いやり
現場は一人で動く場所ではありません。
次に使う人が気持ちよく作業できるよう整えて返すことは、建設業全体の質を高める行動です。
工具の整理整頓、軽清掃、ホースやワイヤーの巻き直し、どれも一見些細ですが、現場にとっては大きな価値があります。
③ 自分への思いやり
綺麗に返す習慣を持つ人は、心も整っています。
道具を雑に扱うと、結局は自分の作業リズムも乱れ、安全意識も下がります。
反対に、丁寧に扱う人ほど品質意識が高く、ミスが少ない。自己管理能力が高い人ほど、チームから信頼されるのです。
現場の信頼は
「物の扱い方」に出る
建設業は、人と人、会社と会社のつながりで成り立っています。
特に 近畿一円 で数多くの法面工事を手がける北摂constructionでは、この「信頼の積み重ね」を非常に大切にしています。
吹付機の貸し借り、現場の共有、資材の持ち回りなど、
どれも借り物である以上、“使う権利” はあっても “雑に扱う権利” はない のです。
借り物を綺麗に扱う姿勢は、そのまま 現場に対する誠実さ と 職人としての品格 を表します。
“仕事ができる職人”よりも、“信頼される職人”を目指す。
これが北摂constructionが大切にしている価値観です。

「返す」という行為は、
感謝を形にすること
借りたものを綺麗に返す。
これは単なるマナーではありません。
「使わせてもらってありがとう」
という気持ちを形にしたものです。
この当たり前の動作を積み重ねていくことで、
現場の空気は柔らかくなり、協力会社との関係も強固になります。
返すときの姿勢は、その人の本質を映します。
だからこそ北摂constructionでは、この考えを若手にも伝え続けています。借り物こそ綺麗に扱う。
この小さな意識が、現場の安全を守り、仕事の質を高め、建設業全体の信頼を育てていくのです。

参考資料
• 国土交通省
「建設現場における安全・衛生管理指針」
• 日本建設業連合会
「持続可能なパートナーシップ形成ガイドライン」
• 北摂construction 社内方針
「思いやりの3要素」内部研修資料(2024年度)
• 近畿地方整備局
「法面工事における施工と現場マナーに関する報告書」

