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2025.03.16

外国人労働者と建設業界のいま

 

法面工事の現場から見える

  多国籍人材の課題と可能性

 

建設業界に増える「非ベトナム系」

外国人労働者。

 

近年、日本の建設業界では、外国人労働者の存在が欠かせない戦力となっています。

中でも注目されているのが、インドネシアやネパール出身の実習生・技能者の増加です。

従来はベトナム人が多数を占めていましたが、

労働市場の多様化により、南アジア・東南アジアからの人材流入が加速。

2023年の厚生労働省統計によると、建設業に従事する外国人のうち、インドネシア人・ネパール人がそれぞれ5%前後を占めています【出典①】。

北摂constructionでも、採用相談時に

インドネシアやネパールからの受け入れ実績はありますか?」という問い合わせが増えており、現場への関心の高まりを感じています。

 

 


 

言葉・文化の壁と

  どう向き合うか

 

法面工事の現場では、安全性と意思疎通が不可欠です。

ベトナム人と比べると、インドネシア・ネパール出身の人材は日本語の習得スピードに個人差が大きく

ネパール語・ヒンディー語・英語が入り混じる中、

指示伝達に一工夫が必要になることもあります。

また、宗教(例:ヒンドゥー教やイスラム教)

基づく食事制限や礼拝の習慣にも

理解が求められています。

北摂constructionでは、

翻訳アプリと視覚資料(動画・写真)を活用し、言葉に頼らない教育体制を整備しています。

 

 


 

法面工事における

適性と現場教育の工夫

 

法面工事は、ラス張り工・吹付工・法枠工など、

体力と専門技術の両方を必要とする仕事です。

インドネシアやネパール出身の若者は体力面での

ポテンシャルが高く、

意欲的な人材も多いのが特徴です。

ただし、鉄筋挿入工や吹付機の操作には、

日本人と同じように時間と段階的な教育が必要です。

北摂constructionでは、

実演指導や親綱の徹底使用を通じて、一つひとつ確実に技能を習得してもらうよう努めています。

「文化が違うから無理」と決めつけるのではなく、

どう育てるか”が

企業の腕の見せどころと考えています。

 

 


 

制度だけではなく、

「受け入れの覚悟」が

企業に問われる

 

私たち北摂constructionでは、現時点では原則として日本人中心の育成方針をとっています。

これは「言語の壁」ではなく、

送り出し機関や制度の透明性、責任ある関係が築けるかを重視しているためです。

ネパール・インドネシアの一部送り出し機関では、制度説明が不十分なまま来日し、現場との期待ギャップが生じることもあります。

その結果、早期離職や実習中の失踪といった問題が発生する可能性も否定できません。

制度の整備はもちろん重要ですが、最終的には“現場の信頼関係”がすべての基盤になります。

外国人労働者の受け入れには、育てる側としての覚悟と責任が欠かせません。

 

 


 

まとめ

 

人材の多様性を受け入れるには、

「育成力」こそ競争力

 

今後の建設業界では、インドネシアやネパールを含む多国籍人材の受け入れが進むことが予想されます。

特に法面工事のような人手不足が深刻な工種では、

“誰を雇うか”ではなく“どう育てるか”が

企業の未来を左右します。

北摂constructionは、引き続き日本人技術者の育成を軸に据えながらも、国籍にとらわれない人材評価と現場づくりを進めてまいります。

“人”が支える建設業の未来のために、

誠実な取り組みを続けていきます。

 

 


 

【参考出典】

① 厚生労働省

 「外国人雇用状況の届出状況まとめ(令和5年)」

https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_37084.html?utm_source=chatgpt.com